IT エンジニアになって感じた大学における情報工学教育の課題

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Posted on Thu, May 31, 2018
Tags it, university, education

この記事は個人の主観によるものです

背景

僕はとある大学・大学院の情報工学科で学び、現在はITエンジニアとして勤務しておりますが、大学における情報工学について感じたことがあったため、述べておこうと思います。

良かったこと

数学的な能力はエンジニアでも必要

線形代数や代数学など数学の基礎は社会人になってからまず学べる機会はありません。 しかし、新しい概念や最近盛んに開発されている機械学習などのアルゴリズムは数学の基礎がなければ理解することは難しいです。

もちろん理解してなくても利用することはできますが、それは他のエンジニアも同じです。

理論を理解できるエンジニアは非常に強いと言えるでしょう。(研究機関出身のエンジニアも最近よく耳にする)

情報理論や OSの基本は非常に大切

XOR 回路などの電子回路や論理演算、情報理論や OS の仕組みはエンジニアを長く続けていても普遍かつ不変なもので、これらを理解できているのといないのとでは、エンジニアとしての伸びしろが大きく変わります。

具体的には、システムのトラブルを考えるときに、プロセスやチェックサム、ネットワークプロトコルなどがわかっているのとそうでないのとでは解決までの時間が劇的に異なったりします。

じゃあ、その学ぶ時間をエンジニアは確保できるのかと言われると、新しいフレームワークやシステムを学びはすれど、基礎に立ち返る時間は業務としては難しいです。 学生時代に学んだ情報工学の基礎はエンジニアになって、「無駄だった」と思うことはほとんどありませんでした。

課題

大学で学べる情報工学の基礎は大切ではあるものの、最新の開発手法やフレームワークやアルゴリズムは大学教育では教えにくいでしょう。

しかし、学生が興味あるのは Soralis ではなく、Android や macOS なのです。

生徒の PC で講義を受けさせる

僕は C の授業を Windows Vista, Java の授業を Soralis で受けました。

C言語を教えるなら IDEも

情報工学を専攻する生徒の大多数は大学に残らない

これからの大学に期待すること

情報工学が社会に与えるインパクトを伝える

情報工学はまだまだ伸びしろがあります。スマホを通じて、すべての人が情報端末を持ち運ぶ時代にすでになっています。

そんな中で情報工学に素養のある人物がどれほど求められているか、想像に難くありません。

外部講師をどんどん招き、学生の視野を広げる

理論と応用を埋める橋渡しは必要